比較

Money Vault vs Empower: 支出記録か、資産管理か

2026年4月10日更新 · 8 分で読める

Empower(旧 Personal Capital)は、いろいろなことができるアプリです。投資の追跡、退職計画、純資産計算、そしてそのどこかにある予算機能。Money Vault は1つのことに集中しています。毎日の支出をできるだけ速く記録することです。両者は支出分析で少し重なりますが、作られている相手がかなり違います。

要点

この比較でわかること

  1. まったく違う2つの道具
  2. 支出記録: 専用か、後付けか
  3. 投資と純資産
  4. 入力速度と方法
  5. プライバシーとデータアクセス
  6. 多通貨対応
  7. 用途別の比較
  8. 価格
  9. 結論
$2.4T
Empower プラットフォームで追跡されている資産総額。主に投資口座と退職資金です。
出典: Empower Annual Report, 2025

まったく違う2つの道具

この2つを比べるのは、スイスアーミーナイフと料理用包丁を比べるようなものです。Empower は10個のことをします。Money Vault は1つのことをかなり上手にやります。

Empower は 2009 年に Personal Capital として始まり、口座残高、401(k)、IRA、課税口座、住宅ローン、ローンなどを含めた家計全体像を出すことを目指していました。予算機能は後から追加されたもので、かなり脇役です。お金の流れは見えますが、本当に強いのは投資ダッシュボード、退職プラン、手数料分析です。

Money Vault は投資を扱いません。音声入力、レシートスキャン、支出に答える AI アシスタントを備えた支出トラッカーです。退職口座や資産配分まで含めた全体像を見たいなら Empower。日々の支出とその傾向を追いたいなら Money Vault です。

支出記録: 専用か、後付けか

Empower の 予算ツールは、連携した銀行口座から取引を取り込み、自動で分類します。機能はします。ただし、専用の支出トラッカーと比べると、かなり基本的に感じます。カテゴリはざっくりしていて、再分類も少し扱いづらいです。予算機能は更新の優先度も低めで、その差は見えています。Reddit では、ずっと修正されない分類ミスの不満がよく出ます。

Money Vault は、最初から支出記録のために作られています。カテゴリは細かく、NLP は「空港でコーヒー 4ドル」のような文脈も拾えます。レシートスキャンは合計だけでなく明細行も拾い、AI チャットで支出の質問にも答えます。支出記録がアプリの主役なら、この違いは大きいです。

ざっくり言えば、Empower の予算機能は、給料がどこへ行くかの感覚だけ欲しい人向け。Money Vault は、後から質問できる精密な記録が欲しい人向けです。

Money Vault
支出特化
Empower
予算は補助
支出記録の深さ。App Store の掲載内容をもとにした、2026年4月時点の比較です。

投資と純資産

ここは Empower の本領です。誰もそれを否定しません。

投資ダッシュボードでは、ポートフォリオ全体を1画面で見られます。資産配分、時間ごとの成績、セクターの偏り、個別株の保有状況まで見えます。退職プランナーはモンテカルロシミュレーションで、目標年齢までに足りるかを予測します。手数料分析では、401(k) や IRA の隠れコストも見つけます。これらは本当に役立ちますし、無料です。

Money Vault はここを扱いません。投資追跡も、純資産トラッカーも、退職予測もありません。支出を追うのであって、保有資産を追うわけではないからです。両方必要なら、用途を分けて2つ使うことになります。

補足

Empower は、資産運用サービスで収益を上げています。運用資産に対して 0.49%〜0.89% の手数料がかかります。無料アプリは、その有料アドバイザリーサービスへ誘導する設計です。大きな口座をつなぐと、担当者から連絡が来ることがあります。

入力速度と方法

Empower には、実質的な手入力機能がありません。取引は連携口座から入ります。現金支出は表示されません。音声入力も、レシートスキャンも、手動フォームもありません。銀行を流れるお金しか知りません。

Money Vault は3つの入力方法があります。

現金を使う人、経費精算がある人、カードがあまり普及していない国へ行く人にとって、Empower の銀行専用方式は見落としが出ます。Money Vault は、入力を自分でコントロールできるので、そういう支出も拾えます。

プライバシーとデータアクセス

Empower は、かなり多くの情報にアクセスしたがります。銀行口座、クレジットカード、証券口座、401(k)、住宅ローン。Plaid や直接連携で全部つなぐことになります。これは大きな金融データが企業のサーバーに載るということです。プライバシーポリシーは長く、資産運用の提案も、データを使って案内されます。

Money Vault はデータを端末に保存します。銀行接続は不要で、アカウントも基本不要です。レシートスキャンは Apple の Vision framework でローカル処理されます。支出履歴はスマホの外に出ません。データ露出の差はかなり大きいです。

全部つないで1つのダッシュボードにしたいなら Empower。口座情報をあちこち渡したくないなら Money Vault です。

投資だけでなく、日々の支出も追う

音声入力、レシートスキャン、AIインサイト。すべて端末内です。

App Store でダウンロード

多通貨対応

Money Vault は 50 以上の通貨をリアルタイム為替レートで扱えます。どの通貨で支払っても、ホーム通貨と並べて記録できます。レシートスキャンも紙面から通貨を自動検出します。旅行、海外勤務、海外通販が多いなら便利です。

Empower は USD 中心です。米国の金融機関から取引を取り込み、すべてドルで表示します。海外取引は、銀行が後で反映した USD 換算額として見えるだけです。元の通貨や為替レートの詳細はありません。複数国にまたがる生活には、ここが弱点です。

用途別の比較

機能 Money Vault Empower
音声入力 ✓ NLP 内蔵
AIチャット
レシートスキャン ✓ OCR
投資追跡 ✓ 中核機能
退職プランナー ✓ モンテカルロ
純資産トラッカー
多通貨(50+) ✕ USD のみ
銀行同期 ✓ 必須
端末内プライバシー ✕ クラウド保存
オフライン動作 ✓ 完全オフライン ✕ インターネット必須
現金支出の追跡
プラットフォーム iOS iOS, Android, Web
価格 無料 / プレミアム 無料(アドバイザリーは有料)

価格

Empower のダッシュボード、予算、投資追跡、退職プランナーはすべて無料です。収益は資産運用サービスから来ており、運用資産に対して年 0.89% から始まり、1,000 万ドルを超えると 0.49% まで下がります。無料ツールだけを使うことはできますが、アドバイザリーへの案内は来ます。

Money Vault は、音声入力、レシートスキャン、手入力、基本統計が無料です。プレミアムで AI チャット、高度な分析、追加機能が使えます。価格はアドバイス手数料よりずっと低いですが、そもそも役割が違うので単純比較ではありません。

結論

この2つは、正確には競合というより別物です。Empower は資産運用ツールで、予算はおまけです。Money Vault は支出トラッカーで、AI を載せています。今日ほしい助けが何かで選ぶのが正解です。

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