比較

Money Vault vs Clarity Money: プライバシー重視の記録か、銀行連携の予算管理か?

2026年4月10日更新 · 7 分で読める

Clarity Money は、銀行連携で支出を見える化し、使い忘れたサブスクを止めるのが得意でした。その後 Goldman Sachs が買収し、Marcus に統合されています。今でも使えますが、重心は変わりました。Money Vault はその逆で、銀行アクセスは不要、データは端末内、記録は音声やカメラで行います。見た目は似ていても、思想はかなり違います。

要点

この比較でわかること

  1. 背景: Clarity Money に何が起きたか
  2. 各アプリの記録方法
  3. サブスク管理
  4. プライバシーの違い
  5. 多通貨対応
  6. 用途別の比較
  7. 価格
  8. 結論
78%
第三者の家計アプリに銀行ログインを渡すことに抵抗がある人の割合
出典: Plaid Consumer Finance Survey, 2025

背景: Clarity Money に何が起きたか

Clarity Money は 2017 年に独立アプリとして始まり、支出の見える化と、忘れたサブスクの整理で評価されました。銀行をつなげると、定期課金を見つけて、その場で止めることもできました。

2018 年に Goldman Sachs が買収し、Marcus に統合されました。今でも無料で使えますが、サブスク停止よりも、Marcus の貯蓄口座やローン商品の導線が前面に出ています。

つまり、今比較しているのは、当時のレビューで語られた姿と少し違うアプリです。

各アプリの記録方法

Clarity Money は、ほぼ完全に銀行同期ベースです。チェック口座、クレカ、貯蓄口座を Plaid 経由でつなぐと、取引が自動で入ります。カテゴリ分けや傾向表示は自動ですが、現金、Venmo、海外の支出は抜けやすいです。

Money Vault は逆で、データをこちらから入れます。

手入力型なので、現金支出も取りこぼしにくいです。旅行先のレシートや、銀行を通らない支出もそのまま残せます。その代わり、実際に入れる必要はありますが、音声ならかなり軽くなります。

Money Vault
入力方法 3 つ
Clarity Money
入力方法 1 つ
出典: App Store の公開情報, 2026年4月

サブスク管理

ここは元々 Clarity の強みでした。銀行をつなぐと、Netflix から見落としがちなジム会費まで、定期課金が見えます。そこから解約導線を案内してくれることもあります。

Marcus 版でも機能自体は残っていますが、以前ほど目立ちません。場合によっては、アプリ内ではなくサービス側のサイトに飛ぶこともあります。見つける力はまだ強いものの、昔の「一発で止められる」感覚は少し薄れています。

Money Vault は、専用のサブスク検出機能はありません。ただし、定期支出を自分で記録していれば、AI チャットで月ごとの合計は確認できます。銀行の中を自動で巡回して、隠れた課金を探すタイプではありません。

サブスクの取りこぼしが最大の悩みなら Clarity に分があります。日々の支出を素早く整理したいだけなら、Money Vault のほうが軽いです。

プライバシーの違い

ここが最も大きな差です。

Clarity Money は、Plaid 経由で銀行ログインを渡す必要があります。取引データは Goldman Sachs 側のサーバーに流れます。集計・匿名化された金融データは、製品改善やマーケティングの分析に使われる可能性があります。無料アプリですが、データを対価にしているモデルです。

Money Vault は、すべて端末上で保持します。アカウント不要、銀行情報不要。レシートスキャンも Apple のオンデバイス Vision フレームワークで処理します。金融データが端末の外に出ないのは、かなり大きな違いです。

ヒント

Clarity Money から移るなら、まず履歴を書き出しておくと楽です。その後、Money Vault の CSV インポートで持ってこれます。

多通貨対応

Money Vault は 50 以上の通貨に対応し、リアルタイムの為替レートで換算します。ユーロ、円、バーツの支出もそのまま記録できます。旅行者や複数通貨で働く人には大きい差です。

Clarity Money は基本的に USD 中心です。米国の銀行口座を前提にしているため、海外取引は銀行換算後のドル表示だけになります。元通貨やレートの細かい見え方はありません。

データを端末の中に残す

銀行ログイン不要。音声、スキャン、手入力。50以上の通貨に対応。

App Store でダウンロード

用途別の比較

機能 Money Vault Clarity Money(Marcus)
音声入力 ✓ 自然言語対応
AIチャット ✓ 支出Q&A
レシートスキャン ✓ OCR
銀行同期 ✓ Plaid 経由
サブスク検出
多通貨(50+) ✕ USD のみ
端末内プライバシー ✕ クラウド + 銀行データ
オフライン ✓ 完全対応 ✕ インターネット必須
支出インサイト ✓ AI ベース ✓ 自動化
対応 iOS iOS、Android
価格 無料 / プレミアム 無料

価格

Clarity Money は完全無料です。お金ではなく、データと注意が対価になっているモデルです。Goldman Sachs は Marcus の貯蓄口座やローン商品へつなぐためにこのアプリを使っています。

Money Vault は、音声入力、レシートスキャン、手入力、基本統計まで無料で使えます。プレミアムでは AI チャット、拡張分析などが使えます。支出記録としては無料版でかなり広く使えます。

結論

結局のところ、どちらを信じるかは「自動化」か「自分で管理するか」です。Clarity は銀行アクセスを渡す代わりに自動化をくれます。Money Vault は記録を自分で入れる代わりに、データを端末に閉じ込めます。

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